第23回の成人矯正歯科学会大会から一夜あけて、E-ライン・ビューティフル大賞のことがニュースになっているかと思いきや、今年は扱いが小さいですね！どうしたことでしょう…。あまりに扱いが雑なので、少しネットで調べたりもしてみたのですが、その中で気になる記述がありました。

「綺麗なEラインのある日本人…」「Eラインの作り方」…？？なんのこと？という感じです。

Eラインというのは、正式には「esthetic line」といいまして、ヒトの顔を真横から見て、鼻の頭と顎の先を結んだ直線のことです。当然、誰にでもありますし、それ自体はただの線でしかありません。

昔、ヒトの横顔の美しさを評価する基準を探していた先生がいて、上下の唇の先とこの直線の位置関係を使うことを思いついたんですね。

唇は尖らせたり引っ込めたりと色々な形にすることができますが、Eラインを基準に横顔を検査するときには、歯をしっかりと咬んだ時の形を基本にして、唇には力を入れず、リラックスしていることが必要です。ですので、人によっては唇が閉じないこともあります。

この状態で、上下の唇の先が、西洋人ならEラインより少し内側、日本人ならEライン上にあるのが美しい横顔とされています。この違いは、人種による顔面骨格の違いからくるものです。

平安絵巻や江戸の浮世絵を見てもわかる通り、古来より日本人は「とにかく口は小さいほうが美しい」と考えていた節がありますね。美の基準というものは、時代や地域によって流行り廃りがあるものです。E-ラインによる横顔の評価が、時代を超えた世界的なものでいられるかどうかは、これからの歴史が証明してくれるでしょう。

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