2015.5.3.update 矯正歯科治療と休診日
長年、歯科矯正に携わっておりますと、知り合いから歯科についての質問を受けることもよくあるのですが、意外に多いのが矯正治療を始める時期についての質問です。
たいていは何かの立ち話の最中とか、趣味のテニスの順番待ちをしているときとか、仕事がオフになっているときなので、「大ざっぱに言えば…」と前置きしたうえで、「子供さんであれば上下の前歯が4本ずつ大人の歯に生え変わった頃、お年を召した方であれば、歯やそのまわりの組織が健康なら何歳でも大丈夫」とお答えしています。
歯科矯正治療の具体的な開始時期は、個人個人で異なりますので、細かい検査をしてみないとわからないわけですが、とりあえずは矯正相談に来てもらわないことには始まるも何もありませんので、皆様方にとっては、「思い立ったが吉日」という感じで良いと思うわけです。
ところが、いざ「矯正治療を始めます!」となった患者様の場合は少し状況がことなりまして、そうなると当院は装置を取り付ける日程を気にし始めます。いつでも良い、というわけにはいかないということですね。
というのは、矯正歯科専門医院の売りの1つに「むし歯の治療等はしないかわりに、矯正治療に関するトラブルにはすぐに対応できる」ということがあるからです。ところが、矯正治療の場合、なにかのトラブルが起きるとすれば装置をつけて最初の3日間くらいが最も多く、そんなときに休診日だったりして対応できないのは大変心苦しい…、というわけで、とくにゴールデンウィークや夏休みなどの長期のお休みが近い場合には、その直前に新しい装置を付けなくても済むような日程調整をすることが多いです。
逆に一般歯科で、月1回どこかの先生にお願いして矯正治療をやってもらっているような医院では、むし歯も同じ医院で一緒に治療してくれるという利点がありますが、矯正治療のトラブルには対しては応急処置のみとなり、十分な対応ができないのが普通です。応急処置の場合は、次に矯正歯科の先生に診てもらうまで矯正治療は一時中断となってしまうため、トータルの矯正期間の延長につながってしまいます。
むし歯の治療は、歯周病や歯の根っこの治療を別にすれば、期間を集中して行なうことができるため、むし歯がたくさんあったとしても治療に1か月もかかりませんが、矯正歯科治療が一時中断した場合は、取り戻すのに何か月もかかってしまうことが多々あります。
いそがば回れではないですが、矯正歯科治療の病院選びの際には、この辺りの事情も頭に入れて頂き、やはり矯正歯科専門の先生が常駐する医院をお勧めしたいと思います。
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